一人暮らしの光熱費は平均いくら？電気・ガス・水道代の節約術を徹底解説

一人暮らしを始めるとき、多くの方が気になるのが毎月の光熱費です。

家賃は事前にわかっていても、電気代やガス代、水道代がどれくらいかかるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、2024年の調査では一人暮らしの光熱費は月平均12,816円で、内訳は電気代6,756円、ガス代3,056円、水道代2,282円となっています。

ただし、季節や地域、ガスの種類によって大きく変動し、特に冬場は夏場の約1.6倍も高くなります。

また、プロパンガスは都市ガスの約3.5倍も高額なため、物件選びの段階で都市ガス物件を選ぶことが重要です。

本記事では、これらの平均額の詳細データに加えて、エアコンの自動運転モード活用や契約プランの見直し、シャワー時間の短縮など、今日から実践できる具体的な節約術を解説します。

これから一人暮らしを始める方はもちろん、すでに一人暮らしをしていて光熱費を見直したい方にも役立つ情報をお届けします。

一人暮らしの光熱費の平均額はいくら？最新データで徹底解説

総務省統計局が公表した「家計調査 家計収支編 単身世帯（2024年）」によると、一人暮らしの1カ月あたりの光熱費の平均は12,816円です。

家計調査 家計収支編 単身世帯 用途分類（2024年）

光熱費とは、電気代、ガス代、水道代、その他の光熱費（灯油など）を合計した費用を指します。

年間に換算すると約15万3,792円となり、家賃に次ぐ大きな固定費といえるでしょう。

一人暮らしの光熱費の内訳を詳しく見る

光熱費の内訳を項目別に見ると、以下のようになっています。

光熱費の中で最も大きな割合を占めるのが電気代で、全体の約53％を占めています。

次いでガス代が約24％、水道代が約18％となっており、電気代の節約が光熱費全体の削減に最も効果的であることがわかります。

一人暮らしの光熱費は男女で差がある？

同じく総務省統計局のデータによると、男女別の水道・光熱費には若干の差が見られます。

• 男性：8,878円
• 女性：9,173円

女性の方が約300円高くなっていますが、これは美容家電の使用や入浴時間の違いなど、生活スタイルの差が影響していると考えられます。

ただし、個人の生活習慣によって大きく変動するため、あくまで目安として捉えてください。

一人暮らしの電気代はいくら？季節や地域による違いを解説

電気代は光熱費の中で最も高額で、季節や地域によって大きく変動する特徴があります。

ここでは、一人暮らしの電気代について詳しく見ていきましょう。

一人暮らしの電気代は月平均6,756円

総務省統計局のデータによると、2024年の一人暮らしの電気代は月平均6,756円です。

ただし、34歳以下の単身世帯に限定すると月平均4,787円と、全年齢平均よりも約2,000円低くなっています。

これは、若年層が在宅時間が短い傾向にあることや、居住面積が比較的小さいことなどが要因と考えられます。

一人暮らしの電気代は季節で大きく変動する

電気代は季節によって大きく変動し、特に冬場に高くなる傾向があります。

冬場の1月～3月は、春の4月～6月と比較して約1.6倍も電気代が高くなっています。

これは暖房器具の使用に加え、日照時間が短く照明を使う時間が長いことも影響しています。

冬の電気代対策が、年間の光熱費削減において重要なポイントとなるでしょう。

一人暮らしの電気代は地域によっても異なる

電気代は住んでいる地域によっても差があります。

寒冷地である北海道・東北地方が最も高く、温暖な九州・沖縄地方が最も安くなっています。

ただし、電力会社の料金体系や燃料費の影響もあるため、地域差だけが原因ではありません。

一人暮らしの電気代の料金システムを理解しよう

電気代は「基本料金＋電力量料金＋再生可能エネルギー発電促進賦課金」で算出されます。

基本料金は契約アンペア数によって決まる固定費、電力量料金は使用量に応じて変動する従量料金です。

電力量料金は3段階制になっており、使えば使うほど単価が高くなる仕組みのため、電気の使い過ぎには特に注意が必要です。

一人暮らしのガス代はどれくらい？都市ガスとプロパンガスの違い

ガス代も光熱費の中で重要な項目であり、ガスの種類によって料金が大きく異なります。

一人暮らしのガス代は月平均3,056円

総務省統計局のデータによると、2024年の一人暮らしのガス代は月平均3,056円です。

過去5年間のガス代の推移を見ると、比較的安定しており、電気代ほど大きな変動は見られません。

一人暮らしのガス代も季節で変動する

ガス代は冬場に高くなる傾向があります。

夏場と冬場では約1.8倍もの差があります。

これは、冬場の水温が低いため、お湯を沸かすのにより多くのガスが必要になるためです。

東京の水道水の平均水温は、8月が28.6度なのに対し、1月は10.5度しかありません。

一人暮らしのガス代は都市ガスとプロパンガスで大きく異なる

ガスには都市ガスとプロパンガス（LPガス）の2種類があり、料金に大きな差があります。

プロパンガスは都市ガスの約3.5倍も高額になります。

これは、ボンベの配送コストや人件費が上乗せされるためです。

物件を選ぶ際には、都市ガスが使える物件を選ぶことで、大きな節約につながります。

一人暮らしのガス代の料金システム

ガス代は「基本料金＋（単位料金×ガス使用量）」で算出されます。

基本料金は契約によって決まる固定費、単位料金は1立方メートルあたりの料金で原料価格により変動します。

都市ガスは公共料金として料金が規制されていますが、プロパンガスは自由料金制のため、業者によって価格が異なります。

一人暮らしの水道代はいくらかかる？2カ月に1回の支払いに注意

水道代は電気やガスと異なり、自治体が管理する公共料金です。

一人暮らしの水道代は月平均2,282円

総務省統計局のデータによると、2024年の一人暮らしの上下水道代は月平均2,282円です。

34歳以下の単身世帯に限定すると、月平均1,482円とさらに低くなっています。

水道代は電気代やガス代と比べて季節による変動が少なく、比較的安定しています。

一人暮らしの水道代の料金システムと支払い方法

水道代は「基本料金＋従量料金」で算出されます。

基本料金は水道メーターの口径によって決まり、従量料金は水の使用量に応じて変動します。

注意したいのは、水道代は2カ月に1回の支払いが一般的だという点です。

そのため、請求額は約4,000円～5,000円になることが多く、月額で考えると2,000円～2,500円程度となります。

また、料金は自治体によって異なるため、住んでいる地域の水道局のウェブサイトで確認しましょう。

一人暮らしの電気代を節約する効果的な方法

電気代は光熱費の中で最も高額なため、節約効果も大きくなります。

ここでは、今日から実践できる電気代の節約方法を紹介します。

一人暮らしの電気代節約①エアコンの使い方を見直す

エアコンは家電の中で最も電力を消費する機器の一つです。

自動運転モードに設定することで最も効率的に温度調整が行われ、設定温度は冬20度、夏28度が目安です。

環境省によると、夏にエアコンの設定温度を1℃上げると約13％、冬に1℃下げると約10％の消費電力削減になります。

また、フィルターを月1回以上掃除することで効率が保たれ、サーキュレーターを併用すれば空気を循環させて効率がさらに向上します。

こまめなオン・オフは逆効果で、起動時に最も電力を消費するため、短時間の外出ならつけっぱなしの方が節約になることもあります。

一人暮らしの電気代節約②契約アンペア数とプランを見直す

一人暮らしの場合、契約アンペア数が高すぎる可能性があります。

一人暮らしなら30アンペアで十分なことが多く、不要に高いアンペアで契約していないか確認しましょう。

また、2016年の電力自由化以降、電力会社やプランの選択肢が増えたため、比較サイトで料金をチェックすることをおすすめします。

電気とガスのセット割を検討することで、年間数千円から1万円以上の節約になる場合もあります。

一人暮らしの電気代節約③家電の待機電力を削減しLED照明に切り替える

使っていない家電でも、コンセントに挿しているだけで待機電力が発生します。

特に給湯器の操作パネルは待機電力の約20％を占めるため、使わないときは電源を切りましょう。

また、照明をLEDに変えることで消費電力を蛍光灯の約半分に削減でき、寿命も約4万時間と長いため、長期的に見ればコストも回収できます。

冷蔵庫は24時間稼働するため、設定温度を季節に合わせて「弱」にしたり、詰め込み過ぎないよう注意することで節電効果があります。

一人暮らしのガス代を節約する実践的な方法

ガス代は特にお風呂での使用が大きな割合を占めます。

効果的な節約方法を見ていきましょう。

一人暮らしのガス代節約①お風呂の入り方を工夫する

お風呂は家庭のガス使用量の約40％を占めると言われています。

一人暮らしなら湯船よりシャワーの方が節約になり、シャワーの時間を短縮することで1分あたり約12Lの節水になります。

都市ガスで浴槽にお湯を張ると1回約67円、1カ月で約2,010円、プロパンガスの場合は1回約141円、1カ月で約4,230円にもなります。

設定温度は40度程度が適温で、節水シャワーヘッドを使えば水量を約30～50％削減できるため、ガス代と水道代の両方を節約できます。

一人暮らしのガス代節約②キッチンでの使い方を効率化する

料理の際は電子レンジを活用して下ごしらえや温め直しを行うことで、ガスの使用時間を短縮できます。

鍋ややかんには蓋をすることで熱効率が大幅に向上し、中火で調理することで無駄な火力を使わずに済みます。

また、必要な量だけお湯を沸かすことや、余熱調理を活用することもガス代の節約につながります。

一人暮らしのガス代節約③ガス会社やプランを見直す

2017年のガス自由化以降、ガス会社を選べるようになりました。

複数のガス会社を比較し、電気とガスのセット割を検討することで料金を抑えられます。

また、物件を選ぶ際には都市ガスが使える物件を選ぶことで、プロパンガスと比べて大幅な節約が可能です。

一人暮らしの水道代を節約する簡単な方法

水道代は他の光熱費と比べて金額は小さいですが、節水は環境にも優しく、継続することで効果が出ます。

一人暮らしの水道代節約①水の出しっぱなしをやめる

最も基本的で効果的な節約方法は、水の出しっぱなしをやめることです。

歯磨き中は蛇口を閉めることで1回で約6Lの節水になり、シャワーはこまめに止めることで大きな節約効果があります。

食器洗いは溜め洗いをして、洗剤で洗う間は水を止めるようにしましょう。

一人暮らしの水道代節約②トイレと洗濯の工夫

トイレの大と小を使い分けることで、小の方が約2L少なく済みます。

洗濯では、まとめ洗いをして回数を減らし、節水モードを使うことで水の使用量を削減できます。

また、お風呂の残り湯を洗濯に再利用すれば、洗いは残り湯、すすぎは水道水と使い分けることで節水になります。

一人暮らしの水道代節約③節水グッズを活用する

少額の投資で長期的に節水効果が得られます。

節水シャワーヘッドは約30～50％の節水効果があり、蛇口に取り付ける節水コマも効果的です。

一人暮らしの光熱費を根本から見直す長期的な節約術

日々の節約に加えて、契約内容や支払い方法を見直すことで、さらなる節約が可能です。

一人暮らしの光熱費を電力・ガス会社の切り替えで節約する

電力自由化とガス自由化により、自分に合った会社を選べるようになりました。

比較サイトで複数社の料金をチェックし、電気とガスをまとめるセット割引を活用することで、電力会社を見直すだけで年間数千円から1万円以上の節約になる場合もあります。

切り替え時のキャンペーンを利用すれば、特典やポイント還元も受けられます。

一人暮らしの光熱費をクレジットカード払いでお得にする

支払い方法をクレジットカード払いに変えるだけで、ポイント還元が受けられます。

年間で数千円分のポイントが貯まり、支払日が一本化されるため家計管理も楽になります。

利用明細で光熱費の推移が一目瞭然になり、家計簿代わりにもなります。

一人暮らしの光熱費を省エネ家電と見える化で節約する

10年以上前の家電は買い替え時で、特にエアコンの買い替え効果は大きく、年間数万円の節約も可能です。

省エネラベルで星の数が多いほど省エネ性能が高く、長期的に見れば初期投資を回収できます。

また、家計簿アプリで光熱費を記録し、前月・前年との比較をすることで増減の原因を分析でき、節約意識が高まります。

一人暮らしの光熱費節約で避けるべき注意点

節約は大切ですが、やり過ぎは禁物です。

真夏・真冬の冷暖房は我慢せず、熱中症や低体温症のリスクを避けましょう。

また、自分のライフスタイルに合った無理のない方法を選び、楽しみながら節約に取り組むことが長続きの秘訣です。

さらに、古い家電の使用は火災のリスクがあり、ガス器具の換気は一酸化炭素中毒の危険があるため、安全面を軽視しないようにしましょう。

一人暮らしの光熱費まとめ：賢く節約して快適な生活を

一人暮らしの光熱費は月平均12,816円で、内訳は電気代6,756円、ガス代3,056円、水道代2,282円です。

季節や地域、ガスの種類によって金額は変動しますが、適切な節約術を実践することで年間数万円の削減も可能です。

ただし、健康を害したり、安全面を軽視したりする節約は避けましょう。

無理なく続けられる方法を選び、楽しみながら節約に取り組むことが大切です。

光熱費の節約は、家計の改善だけでなく、環境保護にもつながります。

今日からできることから始めて、快適で経済的な一人暮らしを実現しましょう。